避妊・去勢手術について
避妊・去勢手術は、望まれない妊娠を予防するだけではありません。
ワンちゃん・ネコちゃんの不要なストレスや病気のリスクを抑えることで、長く健康的に過ごすことができます。その一方、少なからずデメリットも存在しますし、手術や麻酔に抵抗がある方も多いと思います。手術のメリット・デメリットについて知っていただき、ご家族の皆様にご納得いただいた上で進めていきますので、ぜひ一度ご相談ください。
避妊手術とは
卵巣を取り出して、ワンちゃん・ネコちゃんが妊娠しないようにする手術です。
手術の時期
生後6~7ヶ月が目安です。初回発情前に行うのが最適と言われています。
手術の方法
- 卵巣のみを取り出します。
(卵巣と子宮の両方を取り除く場合もあります。) - 腹腔鏡手術
当院では腹腔鏡手術にも対応しております。お腹に小さな穴を開けて、そこから専用の器具を入れ、モニター越しに行う手術です。一般的な開腹手術に比べて傷口が小さく、身体への負担も少なく済みます。
※2kg以下は適応外。 3kg以上は身体サイズと年齢により応相談となります。
避妊手術のメリット
性ホルモンに関連する病気を予防することができます。
- 避妊は早い時期に行うほど、乳腺腫瘍の予防効果が高くなります。ワンちゃんでは最初の発情前に手術すると、99.5%の予防が可能といわれています。
発情期の問題行動を抑えることができます。
発情期には身体の構造が大きく変化するだけでなく、普段はしない行動が見られたり、ストレスを感じやすくなります。 以下、発情期にともなう問題の例です。
- 発情出血によりストレスが増す(犬)
- 偽妊娠*を起こすことがある(犬)
- 発情期独特の声で鳴き続ける(猫)
- 攻撃的・情緒不安定になる
*偽妊娠:ワンちゃんは発情後に妊娠していなくても、乳腺がはったり、乳汁が出たりなど、あたかも妊娠している状態になることがあります。
避妊手術のデメリット
全身麻酔が必要
手術は血液検査など身体の状態を確認した上で行いますが、若い子でも予期せぬ麻酔事故が発生する可能性はゼロではありません。当然、高齢になるほど麻酔のリスクは高くなるので、お早めにご相談ください
太りやすくなる
体内のホルモンバランスが変化し、代謝が落ちることで、手術前に比べて太りやすくなります。当院では術後の体質変化にあったペットフードを取り揃えております。気になる方はお気軽にお声がけください。
去勢手術とは
精巣を取り出して、ワンちゃん・ネコちゃんが繁殖できないようにする手術です。
手術の時期
生後6~7ヶ月が目安です。ワンちゃんでは、排尿時に肢をあげる姿勢をとるようになるまでに手術をおすすめしています。
手術の方法
- 精巣を摘出します。
- 腹腔内精巣
稀に陰嚢の中に精巣がなく、お腹の中(腹腔内)に精巣が存在していることがあります。腹腔鏡手術での摘出が可能です。
去勢手術のメリット
性ホルモンに関連する病気を予防することができます。
- 精巣の病気(精巣腫瘍、精巣炎)にかかることがなくなります。
- 前立腺肥大、会陰ヘルニアなどの病気にかかるリスクが低くなります。
発情期の問題行動を抑えることができます。
発情期に伴う問題例
- マーキング(犬)
- メスを求めて徘徊・脱走する。オス同士の喧嘩。
- スプレー行動(猫)
去勢手術のデメリット
全身麻酔が必要
太りやすくなる
詳しくは「避妊手術のデメリット」をご覧ください。
愛犬・愛猫がより長いときを健康的で元気に過ごせるために、
避妊・去勢手術はとても大切です。
ご不明・ご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。